墨美神®︎樋口鳳香のつれづれ

歌川派の墨絵師、樋口鳳香の水墨美人画(墨美神®︎)創作活動に尽きるアートブログ。 悠久の未来を見据えて、365日、墨美神®︎と向き合っています。

無彩色の思考のヴァリエーション〜鳳香の墨美神(スミビシン)


以前「ロベール・ドアノーの写真と朗読でつづる自伝的試み」という講演会があり、

写真家ドアノーの作品をたくさん見てきました。

モノクロ写真の印象がつよいドアノーですが、

時代が移ってカラーの写真も登場します。

しかしカラーの写真がスクリーンに映し出された瞬間に、

それまでいっぱいにふくらんだときめきが、しゅっと萎むのを感じました。

…どうやら色は多くを語りすぎるのです。

色という与えられる情報だけで分かった気になる。

そこで思考が止まってしまうのです。

深く想像する、ということをやめてしまうのです。

水墨画の世界もそれと同じで、

墨だけの表現の中に、観る人が自由に色を感じることができます。

その思考のヴァリエーションは色で表現するより、ずっと多弁かもしれません。

作品を通して今日見えるものと、明日見えるものは、きっと違う物語だと思います。

鳳香が描いた墨美神のまなざしの先に、

あなただけの物語を感じていただけたら光栄です。