大掃除のとき棚の奥から出てきた本。
須賀敦子を懐かしむ人の文章から
なぜかサン=テグジュペリにスライドしてしまった。
「大切なのは、どこかを指して行くことなので、到着することではないのだ、というのも、死、以外に到着というものはあり得ないのだから」
(サン=テグジュペリ『城砦』より)
掴めたと思ったら、するりと指のすき間をぬけていく、
砂を掴むような創作の日々に人生の焦りを感じたり、
やればやるほど自分にできることの狭さに気づき、それを嘆いたり、
あがいてあがいてたどり着くその先に、
求めるものが見えてくるのだろうか、と指を噛んだりするけれど
それで十分いいのかもしれない。