墨美神®︎樋口鳳香のつれづれ

歌川派の墨絵師、墨美神®︎樋口鳳香のアートブログ。『墨美神®︎を描く講座』と『展覧会告知』を発信します

【水墨画で使う支持体(和紙や絹)のこと】


現在、銀座8丁目美の起原にて【新春セレクション展】開催中です。
(13日まで開催・日曜日休廊)

初日に展示してあった『虎猫を抱いた女』がご売約となったため

平和を祈る墨美神®︎

『明日、世界が滅びるとしても、今日、君はリンゴの木を植える』

を展示してもらっています。

ちなみにこの長い画題は、作家、開高健が気に入ってよく使っていた言葉です。




売約済みの『虎猫〜』もそうでしたが、

平和を祈る墨美神®︎も、和紙に描いています。

繊維の粗い、薄墨のよく滲んでいく和紙です。

水墨画の醍醐味は、墨の滲み、ダイナミズムです。

最初に入れた墨は、どんなに上から塗り重ねても最後まで残るため、

紙によっては水あとも残るため(若冲の筋目描きのように)

水墨画は、濃淡を筆の中に作って、一気に面で描き上げていきます。

あとは和紙のランダムに絡み合う繊維の広がっていく先に任せて、

水をたっぷり含んだ墨が滲んでいくままです。

もちろん他の画材のように一度入れた墨は消すことができません。

経験を積むことで、墨の滲みを、ある程度計算することができるようになります。




水墨画にとって和紙は作品の仕上がりを左右する大切なものですが、

近年はいろんな事情が重なって、

良い和紙が入手しにくくなっています。

なので、和紙に描いた作品は私の中でも貴重なものになっています。

そんな事情も相まって、絹に描くことも並行して始めました。

私の場合、絹と言っても絵絹でなく、きもの地に描くので事情はかなり変わりますが

それでも絹は和紙に比較すると、意にそう『スナオ』な支持体です。

和紙と違って「想像しない方向に墨が滲む」ということはそんなにはありません。




ここに『東の大観、西の栖鳳』と呼ばれた巨匠の言葉を掲載します
(『栖鳳閑話』竹内逸)

沢山の依頼を受けた竹内栖鳳も、絹に描くより、和紙に描くことを好んだようで

しかし依頼の多くは絹本のため

『果たして依頼主は、自分の作品の良さをわかっているのだろうか?』

と感じていたそうです。



またそのうちに、墨のはなしをしていこうと思います。

 

 



 

 

 

 

 


【新春セレクション】
会期:2003年1/6(金)~1/13(金)
会場:銀座画廊 美の起原
(銀座8丁目4−2 高木屋ビル 1F)




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