墨美神®︎樋口鳳香のつれづれ

歌川派の墨絵師、樋口鳳香の水墨美人画(墨美神®︎)創作活動に尽きるアートブログ。 悠久の未来を見据えて、365日、墨美神®︎と向き合っています。

【おうちで楽しむ展覧会 ~ 其の3~円山応挙】


以前も軽く触れましたが、

水墨画は主に、松から取れる煤を原料にした松煙墨(ショウエンボク)を使います。

少し青みががって見えるため、青墨(セイボク)とも呼ばれています。

松の煤の粒子は、大小ランダムに混じっています。

それら大小の粒子が光を受けると乱反射を起こし、奥行きや色味を感じさせるます。



墨にはもう1種類、植物油や鉱物油を原料にした油煙墨(ユエンボク)があります。

これは茶墨(チャボク)と呼ばれることもあります。

青墨に比較すると茶色く発色して見えるため、そう呼ばれています。

油煙の煤の粒子は大きさが均一で、光を受けても複雑な反射をしません。

そのためくっきりとした墨色が表現できます。

書道に向いていると言われるのはその所以でしょう。



この2種類の墨色について、良い見本がありました。

円山応挙の襖絵『松に孔雀図』の一部です。

図録からスキャンしたもので、

さらにスマホなどディスプレイ越しに見ると分かりにくいかもしれませんが

松の幹の部分と、松の針葉の部分に注目してください。

幹の部分は茶色く、針葉の部分は青く見えると思います。

応挙は2種類の墨の特性を生かして、この作品を描いたのでしょう。

金箔地に描くことで、この襖絵は一層光の影響を受けます。

部屋に挿し込む光は、終日変化し続けます。

応挙は時間を以て変化する表情をも、鑑賞の要素として取り入れたのでしょうね。



これだけを見ても、つくづく水墨画は、モノクロ画ではない!と強くお伝えしたいです。

『光と影の芸術』と呼ぶのが相応しいのではないでしょうか。

 

 

 


円山応挙「松に孔雀図」(部分)1795年・兵庫大乗寺




〈現水展〜全国公募の案内〉

※現代水墨画協会が主催する『現水展』
秋10/7(水)~10/14(水)に東京都美術館で開催される本展は、全国公募です。
応募作品は、水墨画の技法に絞ったものではありません。
規定サイズで、主に墨を使っている平面作品であれば、どなたでも参加いただけます。
応募要項をご希望の方は、ぜひ事務局までお気軽にご連絡くださいませ。
応募締切は例年の場合7月です。

現水ホームページ http://www.sumiart.jp/cgi/form.html


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