SumiBishin®︎樋口鳳香のつれづれ

大臣賞受賞 水墨画家、すみびしん®︎樋口鳳香のアートブログ。墨で描くかぐわしき美神たち〜墨美神

奏でる手 〜 坂本龍一さんを偲んで


坂本龍一は、ミュージシャンでありながら

大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』で俳優としてもブレイクして、

その容貌から『教授〜』なんて女性たちから呼ばれる存在だったようですが。

そのころの私は、坂本はテクノという異世界なジャンルだけでなく、

よい音楽を創る人なのだと認識し始めていました。



退廃的な映画『ラストタンゴ・イン・パリ』で知られる

ベルトリッチ監督と創り上げた『ラストエンペラー』は素晴らしい曲が多く、

なかでも『Rain』は、走るような曲調が交感神経を刺激して、魂を鼓舞してくれて。

それがとても気に入って、今に至るまでずっと創作中、筆が走る充実した時に聴いていました。



その後の同じくベルトリッチ監督の『シェルタリングスカイ』は、

人生に迷う夫婦の放浪の映画で、内容はなんだかよく分からなかったけど、

坂本龍一の音楽が乾いた異国の大地と、止め処なく流れる大気を表現していて荘厳で美しく、

坂本の音楽を味わいたいがためにベルトリッチをイメージ映像のように眺めていたものです。



それから

菊池凛子がその存在を日本中に知らしめた映画『バベル』のエンディングは、

坂本の『美貌の青空』という息が詰まりそうな切ない楽曲で締めくくられ、、。

この曲は不協和音が共鳴しながら心に深く染み込んでいく、水面のように不思議に冴えた楽曲で。

墨美神を描く時、何度も何度も繰り返し聴いていました。


たぶんこれからも。



奏でる手

Ars longa, vita brevis.〜 芸術は長く、人生は短し

 

 

 

やすらかに



 

 

 

 

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