墨美神®︎樋口鳳香のつれづれ

歌川派の墨絵師、墨美神®︎樋口鳳香のアートブログ。『墨美神®︎を描く講座』と『展覧会告知』を発信します

夏休みの自由研究に『水墨画』を!〈その6・芸術ってなに?〉

 

「そもそも芸術ってなに?」

 

みんなが疑問に思っていることじゃないでしょうか。

 

 

 

芸術とは――

 

見たままを、ただ精密に表現するものではなく、

 

形も色も、空間も、現実のあらゆる理論から解放して

 

表現者の美的感性に基づいて印象を刻むものです。

 

たとえ技法そのものがリアルであったとしても、

 

芸術は虚構の美学なのです。

 

 

 

それから芸術は、

 

発信する側と、鑑賞する側の、相互の心の響き合いによって成り立つものです。

 

 

 

小学生の皆さんなら芸術作品を前に、それを頭の中の現実に照らしてみて

 

「こんな形おかしい」「こんな色はない」「こんな場面ありえない」

 

という事がたくさんあるでしょう。

 

作家が織りなす作品という世界、作家の印象の先に

 

観る側は共鳴したり、心を揺さぶられたり、時には不安や違和を感じたりする事でしょう。

 

作品を通して感じる心は、自分自身です。

 

芸術は自分の心と向き合う鏡でもあります。

 

他者との違いを認識したり、共感したりする先に、己を知るのです。

 

そのため、自分でも気づかなかった自分に出会う事もあるでしょう。

 

 

 

もちろん感じ方に正しい答えなんて、ありません。

 

芸術は、正解のない世界であることを認識することが大切です。

 

同じ個が存在しないように、十人いれば、十色が心に刻まれることでしょう。

 

いえ、それどころか同じ個であっても、ひとつの作品を2回見た場合、

 

最初の印象と違って感じたり、季節や天候が違うだけで観た印象は変わったりするものです。

 

長い人生において、その時々の心のありようによって、多くの表情を感じさせてくれる。

 

自分の心の変化に向き合わせてくれる。

 

それが芸術ではないでしょうか。

 

 

 

墨と、水と、和紙の織りなすにじみの先に、

 

 

自分の宇宙を感じてみませんか。

 

 

 

 

 

 

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