墨美神®︎樋口鳳香のつれづれ

歌川派の墨絵師、墨美神®︎樋口鳳香のアートブログ。『墨美神®︎を描く講座』と『展覧会告知』を発信します

『書物/アートという装置、読書という体験』@日比谷図書文化館


「DOMANI・明日展PLUS」関連講座の

『書物/アートという装置、読書という体験』

を聴講しに日比谷図書文化館に伺ってきました。


・藤本由紀夫
・折笠良
・蓮沼昌宏

の3名の作家と、司会進行の林洋子さんがご登壇。

作家は各々作品のプレゼンテーションと、

その後に『読書』という切り口でクロストークという展開。

『読書』とは、二次元である紙媒体の書物を読むというだけでなく、

洞窟の中のフレスコ画を眺めるように、

三次元の中に入って行って、自分から能動的に必要な場所へ移動していくもの。

水平の広がりの展開でなく、パソコン上でレイヤーを重ねるように奥行きの読書という形態。

などなど話は深くなっていきました。

折笠さんは、言葉をモチーフにアニメーションを創作されていて

今回の出展作品は、石原吉郎ロラン・バルト萩原朔太郎

石原吉郎についてはその人物像についても深く話をされていて

生前、日比谷界隈は、心が迷いこんだ時などによく散歩をされていたそうですが、

『言葉のポトラック』で堀江先生のオススメの1冊であった石原吉郎詩文集を

改めて手にしているような気持ちで話をうかがいました。

久々に講演会に出かけて、

もちろん現代アートの潮流を読み解きたいという思いから参加したのだけど、

つくづく言葉がなくっちゃアートも創作できない。と思ったのでした。

しかも上質の。

次の講演会がいつになるのか、春を待つより待ち遠しいです。






〈DOMANI・明日展とは〉

文化庁が人材の育成のために行っている芸術家在外研修の成果発表、

日本のアートシーンにプレゼンする機会になることを目指しての展覧会で、

国立新美術館で開催されます。

日展PLUSとは、天井の高いWhite cubeでの展示だけでなく

作家のコンセプトや作品に合わせての展示で、

「Artists meet Books 本という樹、図書館という森」をサブタイトルとして、

今年は千代田区立日比谷図書文化館で開催されています。