写真を撮ったきり、記事に上げるのを忘れていたので、ひとつの年の納めとして。
今年9月に靖国神社で開催された『みらいとてらす』は、平成27年から始まった行事です。
それはちょうど、私がちよだ文学賞千代田賞を受賞した年でした。
受賞作は「ぬしのはなし」。
物語の舞台がまさに靖国神社の神池庭園でした。
神池庭園は「しんちていえん」と読みます。
受賞の知らせの後にこの行事の開催を知り、
ふしぎな物語にはふしぎな縁がついてくるのか
まるで物語が続いているようでうれしい気持ちになったのを思い出します。
『みらいとてらす』は夜の境内を美しくライトアップし、
心静かに夜間参拝をして戴きたいという主旨の行事ですが
年々奉納芸能などの催しも増え、
今年はプロジェクションマッピングなど大掛かりなイベントもあって、
たいへんな参拝者の数でした。
神池庭園はスモークをたいて幻想的なお琴のライブが開催されていて、
大勢の人が幾重にも重なって、妖しく照らし出された池を囲んで
うっとりとした表情を浮かべていました。
物語のまゆらとなつおが出会った場所である鯉の餌場はPAブースとなっていて、
さて、ぬしは池の底でこの景色をどう眺めているだろうと思いつつ、
その場を後にしました。